Turquoise Blue 〜空色のベース〜
「本、もういいの?」
『…寒くなった』
「だから言ったじゃん…」
−『彼』は
朝、私達がいた
看板の横に座った
「そ…そうだよね!
おかしいと思ってたんだ!
あそこであいつは
倒せないとおかしいんだよ!!
間違ってるよ!
友達のカタキだもん!」
『…それで俺も色々やった』
− 教室で話してるみたいだ
すごく嬉しい
「ゲーム詳しいならさ
ゲーム作る人になればいいのに!」
『色の区別
あんまりつかないから無理』
− え…? −
『空色とか 全部 灰色に見える』
「そうなんだー
あ! そういえばさ!!
今日食べたべーグルあったじゃん?
あれ、雑誌に載ってた事あるんだよ!
食べると仕事運上がるんだって!」
『…なにそれ』
『彼』はやっぱり
立てた膝の間に、両腕を垂らして
ふは と笑う
私は
事さら、くだらない、
『彼』が笑えそうな話をした
私がテレビのリモコンを
携帯と間違えて
学校に持って行った話とか
担任の先生を
授業中『お母さん』と
呼んでしまった事とか
弟と、扇風機を掃除してたら
間違ってスイッチ踏んで
プロペラだけ庭に飛んで行って
ゴルフの練習してた
お父さんの頭の上で着地。
お父さんも、少し回転して止まったとか
そういう話をしまくった
『彼』は『嘘だろ』と言いながら
お腹を抑えて笑った
『…扇風コプターつけたお父さん
今日、来てないの』
かなり、
笑いをかみ殺しながら言ってる
「来てたはずなんだけど…
弟預けて、久しぶりに新宿だから
二人でもう見終わって
どっかでご飯してるかもしれない
今日は親、来てても
バンドの皆と帰るしー
それは、言ってある。」
『あー…。
久々、笑った』
拳で口を抑えてる
そして『彼』は、立ち上がって
眼が、前を見た