Turquoise Blue 〜空色のベース〜



観客席に戻ると

お客さんは帰った人もいるのに
大差ない人がいて
穏やかに賑わっていた


…本番中は
散ってた出演者の人達も、
全員ここだし

プレイヤー、一人につき
二枚チケットあったし
当然か





ゴツ
『…ビニールない?』


「ぅえっっ?!?!」



振り向くと
まだ汗を少しかいた『彼』が
白い布を手に持っていた



「ちょ…
ちょっと待って!
ビニールって、
コンビニ袋でいいの?」


『うん これ入れたいだけ』


「…ガーゼシャツじゃん
乾かなかったの?
どこ干してたんだろう…
圧して絞って干した?」



『…乾いてたけど
本番終わって、汗かいて拭いて
また洗った』



「…………

帰り、どうするの?」



『 あ、  』




「もー……

スッパで帰るつもりかー!

あのさ、替えのTシャツ、
予備で持って来たんだけど
着る?

万が一、制服着替えるトコ
無かった場合の
『簡易更衣室』な
でかいTシャツだから
着られると思う 」



『いいよ』



「なんで」



『返せないし』







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