Turquoise Blue 〜空色のベース〜



その音を追って
『彼』が一個、角を曲がった


そこは
今来た所とは違って
三差路だ



その真ん中で

黒いキャップを被り
黒いTシャツの『彼女』が
はぁはぁとしゃがみ込んでいる


そして辺りを見回してから
ダッシュを開始した


『Azurite』は一回
突き当たりの
もう真っ暗になっている
小さな小売り店が集まる道に
入ってしまって
慌てて踵を返して
逆に走っていったのが見えた



−また別の方向から
バタバタと足音




……もしかしたら
私達も、『彼女』を追う足音の一味…?


どうして『彼』が
二人きりで『彼女』と話せるなんて
思ってたんだろ……


そう思ったけど
足が止まらない

夜なのにかなり暑くて
背中に汗が流れた

『彼』もずっと走ってる






−『彼女』がまた
分かれ道に差し掛かって
辺りを見回す


スタートは激しいけど
道をよく知らないぽくて
すぐに分岐で迷う

それなのに走るから
だんだん『彼女』は
広範囲から、追い込まれ始めていた


四方八方から
囲まれ始めた時






どこからか


『アホ!』って、声が響いた









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