Turquoise Blue 〜空色のベース〜


走り出した窓の外に

新宿の高層ビルが見えて


夜空には、
灰色の大きな雲が
たくさん沸いてる

雨が降るのかもしれない



『Azurite』の曲にもあったな
"…あの灰色の曇り空から
ママの腕が伸びてくるよ…'
って歌詞



Cheaが歌った『サードニクス』だ




−その景色は、非常階段で見た時より
小さくて

方向も、違う




車の中では
四年位前に流行った
ロックバンドの曲が流れていた



「…今の時間なら
もしかしたら電車よりも
早くつくかもしれないな

帰り、ベース忘れない様にしないと」



「はっ!!そうだ!!!」


青山さんが笑う



「で、でも
青山さんだって、更衣室に
ベース忘れたって聞きましたよ?!」


「緑くんか

…あれはねえ

本当の事、言っちゃうと


捨てたんだ」




「………え?! 」





< 175 / 208 >

この作品をシェア

pagetop