Turquoise Blue 〜空色のベース〜
「その時は緑くんが
わざわざ会員証、調べて
電話かけて来て
そこから彼とは親しくなった
それ入れて、三回かな、
人にあげたり
置いて来たんだけど
毎回、俺の所に戻って来た
それで三回目に
『これは、弾けって事なのかなあ…』
ってさ」
「そ!そうですよ!
だから
『彼』にも会えたし!」
「…君も、『彼』にベース
助けてもらったしね」
「…あ…… はい……」
「そう思って弾くのも
いいんじゃないかな」
「……はい…」
「ユカちゃんは、泣き上戸?」
「…ぜ…!!全然なんです…
どっちかっていうと笑い上戸で…
やっぱり今日
…へんなんです… 」
「そこ 開けて」
「え?」
「ユカちゃんの眼の前の
車のボックス」
「はい」
ガコンと、
眼の前の引き出しを開いた
「地図の上に、袋あるでしょ
それあげる」
ガサガサと
コンビニ袋を開けたら
いっぱい棒キャンディーが入っていた
水色と金の
丸い包みを開けて、口に入れる
ちょっとだけ
柔らかいけど
美味しい
夏っぽいソーダの味がして、
すごく、
− せつなくなった