Turquoise Blue 〜空色のベース〜
インターが近付いて
青山さんは『 IN 』に入る
私はトイレに行って
出てくると
売店の所に青山さんが居て
手招きした
「何食べる?
俺は焼きそば食うけど」
「ジャガ芋クン!!」
「後は? 飲む物も」
「チョコサンデーとメロンソーダ
あ、鯛焼きだ
どうしよう」
「全部頼んじゃえ
余ったら、家で食べればいいし」
「妹さん?」
売店のおじさんが
カウンターに肘をかけて聞いて来る
青山さんも「そうなんです」と答えた
「ユカちゃん
車で、ロックして待ってて」
「はい」
言われた通りに
助手席に戻った
やっぱり車の中は涼しい…
しばらくして
青山さんが戻って来た
「鯛焼き二個、オマケしてくれたよ」
「おじさんいい人!!」
助手席に
パッと開く
簡易テーブルみたいのを出してくれて
色々並べて食べる
青山さんは
お父さんが私を見るみたいな顔で
笑って見ていた
「……やっぱり私
子供ですか……?」
「そこが
いいとこなんじゃないの?」
「………でも
なんか皆…大人で
高い所に飛んで行ってる感じで…
『Azurite』なんか
その頂点って言うか…」
また少し窓を開けて
青山さんは煙草を吸う
そして
ぽつりと呟いた
「…1番飛びたがっていたのは
アズだよ」
「……今は飛んでるじゃないですか…」
「羽根があっても
飛ぶ意志が無ければ飛べない
…その意志を持つ為の何かを
あいつは誰かに貰ったんだと思う」
「…意志」
「うん」
「…なんか難しい……」
「あはは
焦る必要ないと思うよ
…俺もやっと飛べる」
そう言って青山さんは
車を出した