Turquoise Blue 〜空色のベース〜





夕方になって

下から『買い物行って来るね〜』と
お母さんの声


いってらっしゃいー と
頑張って声をあげる



寝たり起きたりを繰り返して
少し体が動く様になった



…シンとしてる




そんな時
携帯が鳴った


いつも制服がかけてある壁側を見る


「え…なんで無いの」

焦りながらドタッと起き上がったら


……自分が着てた





取り出すと
『ユリちゃん』
メールの着信もある

急いで電話に出た



「ユリちゃん!!
昨日ホントにごめん!!
私…!!」


『 ユカちゃん〜〜…… 』


「どうしたの?!」



『…来た〜〜……』


「え?!」


『……昨日…帰りがけ、
トイレに行ったら来た……』


布団の上にしゃがみ込む
力が抜けた

「そ……そかあーー…」




『心配かけてごめんね……』


「ううん!!それはこっちの台詞で…」

また涙でぐしゃぐしゃになる




『皆ね…
ユカちゃんの事
わかってたから
平気だよ

青山さんも、しっかり送りますって
言ってくれたし』



「うん…
凄い、いい人だった…」



『蘭さんも
緑川さんも
おもしろい赤池さんも
…皆、いい人だったね

あのヴォーカルの人もね』



「……ぅん!…」


『…あの人とは、どうなったの?』



「……何にも…」


『何にもかぁ……』


「だってライバルが
…『Azurite』なんだもん…」


『…それはキツイなぁ……』


「キツイょ……」



『…でも、彼に
会えて良かったね…』



「……うんっ……」



『昨日ね…
うちの方の彼からも
電話来たよ』


「ホント?!」




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