Turquoise Blue 〜空色のベース〜
次の日の練習は午後から
一応リナを待ちながら
練習していたけど
来なくて
マキちゃんが
代わりにボーカルをとった
やっぱり
リナに比べると、
段違いに上手くて
やってて楽しかった
でもなんか
変な引っ掛かりが
私の中にあって
皆も いつもより元気が無かった
『頭上の輪』を
やっている途中で
いきなりマキちゃんが
歌と演奏をやめて
下を向いてしまった
「どうしたの?!」
一斉に全員、音を止めて
バタバタ駆け寄る
マキちゃんは下を向いたままだ
「…ごめん」
「な 何が?!」
「…私 皆を道具にした」
「へ?!」
「バンド…
どうしてもやりたくて
…前に一回、やってたの
中学の時
でも私、ちょっと自分が
周りより出来るとか思って
下手くそとか平気で言ってて…
だから今回は
そういう事言わないで
…てかさ
ボーカルがどうとか
どうでも良くて
自分がバンドの中で
ギター弾ければ良かったんだよ…」