Turquoise Blue 〜空色のベース〜



…小学三年の時の学芸会


ミュージカルっぽいやつで
主人公の『花売り少女』を
誰がやるか


放課後のホームルームで
候補えらび


合唱部に入ってて
皆に歌うまいねって
いつも言われてた私と


お華の先生やってるお家の
ミカちゃんは
自分で手をあげた



お休みの人もいるから
明日全員で決めましょうと
その日はさようなら


もう気持ちは花売り少女だった


次の日トイレに入ってたら
『絶対あたしに入れてね!』と

ミカちゃんは、おもちゃを
クラスの子に
渡していた



結果は ミカちゃん。




今なら
『華道の家の娘だから
どうしてもなりたかったんだろうなあ』
そう思うんだけど

その時は その狡さにびっくりして
誰にも言えなくて泣いた


…ていうか
何か色々面倒臭くなったのって
それがきっかけかも
しれない。







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