Turquoise Blue 〜空色のベース〜

逆光に シルエット

誰か立ってる


ピピピと音がした




「…はい
わかりました

もし見つかったら
連絡下さい

はい」

ピ


そして手にまた、スッと
携帯が戻された




「まだ 
駅に届いてないって」


「…え…」


目が慣れて来たら

それが『彼』だと、判った


立っているシルエット



少し風が出て来て
ガーゼシャツが 彼の体に波を立てる

斜め上から
こちらを見る顔は
前髪が風に煽られて 上にあがって

一重の
茶色い目だって事が、わかった




− 左耳にだけ
水色の小さな石のピアスをしている


先輩が 指にしてたのと
同じ色





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