Turquoise Blue 〜空色のベース〜
−その前にベース!!
ソフトケースを開けて、
確かめる
…どこも見る限り、傷とか
無い
……よかった…
ごめんね………
制服を持って廊下へ
トイレへ向かう
天井のダクトから
少し音が伝わって来た
角を曲がったら
真っ黒な集団が居て
少し、後ずさった
ゴスロリな人達が
十人…二十人以上
腕に腕章をつけていて
それに『†VELVET†』と
書いてある
…ファンの人達だ
そ〜っと、横を通る
− トイレに入った時
声がした
「…なんであんな子いんの?」
「出演者ステッカーつけてた」
「…関係者の娘とかじゃないの」
「何でうちらが控室入れないのにさぁ…」
− ドカッと
ドアを蹴られた
…うあああ
髪は真っ黒で
チビだし、顔も地味。
胸も無いし、身内にしか
可愛いとか言われた事は無い
実を言うと、
お母さんの昔の写真みると
結構かわいかった
でもその頃の顔に、私は似てなくて
弟がそっくりで
女の子と間違われてた時期がある
私はお母さんと、
笑い顔はそっくりだけど
基本は
地味顔のお父さんに似てる
…リナは結局、努力可愛い系だし
マキちゃんは大人系の
カッコイイ美人だ
告られてるのも何度か見てる
ユリちゃんは
ふんわりしてて
癒し系って言われたりしてる
シノは
眼鏡をとると
清楚系の美人だし
…………。
声がしなくなったので
トイレのドアを、そっと開けてみる
…上記の理由で
私の場合
同性に色々言われたりとかは
全然ないのだ
…敵と見なされないから。
初体験。
本気で怖かった…