【SS集】1分で読める超短編
私の名前はこの首についてるその名前と同じです。
お月さまのため息でそれは揺れて、ふるえて泣くのです。
「鈴、おいで」
毛糸の声に誘われて、毛羽立つ布をキュとつかんだのはいいけれど、恥ずかしくって床ばっかり見ていたら、
「かわいい」といって微笑まれた。
「鈴はあったかいな」
大きな腕に包まれる私は幸せで、ついその腕に頬擦りした。
くすぐったそうに身をねじるくせにその腕は私を離しません。