クールな総支配人の迷子注意報?
プロローグ。
私の働いているホテルは、
高級感溢れ広々とした内装に手入れされた
素敵な庭園。
世界でも有数と言われる三ツ星と名高い
藍沢帝国ホテル。
フロントスタッフとして2年。
小さい頃から憧れていたコンシェルジュとして
やっと配属されることに。
この日をどんなに待ったことか……。
コンシェルジュとは、
宿泊客の要望を応え切符の手配や観光案内や
病気のケアをしたりする。
言わば『ホテルの何でも屋』みたいな立場だ。
いつものキチンとしていて
丁寧で優しい口調で応える姿は、幼い私から見ても
カッコよくて素敵だった。
私もいつかあんな風になりたいと思いながら
「今日からコンシェルジュとして働くことになりました。高城若葉です。
よろしくお願いします」
皆に挨拶をするとスタッフ達は、
拍手をしてくれた。
ドキドキしながらも深々と頭を下げる。
「では、高城さんの指導係は、
同じコンシェルジュの小山さんにお願いします」
マネージャーの中村さんが指示を出した。
「はい。よろしくお願い致します」
そう言い私の指導係に指名されたのは、小山さん。
30代なのに知識も経験も豊富でホテルのことなら
何でも知っている。
私もフロントスタッフとして
知っているけど、いつ見てもあの対応と知識は、
凄いなと思っていた。
そして密かに片思いをしている人物だ。
「こちらこそ。
ご指導の方をよろしくお願い致します」
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