クールな総支配人の迷子注意報?
また微妙な場所に……。
「総支配人。捜しましたよ!!」
「うん?高城か……。
丁度良かった。ここって今何階だ?」
私を見るなり自分の居場所を確認しようとする
総支配人。
「15階です。ちなみに811号室に行きたいのなら
もう1階上ですよ!」
私は、呆れながら答える。
すると驚いた顔をする総支配人。
「それは、本当か?なるほど……。
道理でいくら捜しても見つからないはずだ」
冷静に納得する。
いや、落ち着いて納得している場合じゃないですから!?
「どうしてエレベーターを途中で降りたんですか?
間違って降りたとしてもすぐに乗り直せば行けると
思うのですが?」
普通なら乗り換えるはずだけど……?
いや、それ以前に降りないだろうけど……。
「あぁ書類を見ながら乗っていたら前の人に釣られて
降りてしまって。待ってもなかなか来ないし
待つだけ時間の無駄だと判断して階段で行ったら
たどり着けなくなった」
いやいや、迷っている間に
エレベーターで行けましたから!!
余計時間の無駄になったし小さい子じゃないんですから釣られて降りないで下さいよ!?
私は、心の中でそうツッコんだ。
「いくら来なかったと思っても
エレベーターに乗って下さい。階段で行くから
余計階数が分からなくなるんですよ」