クールな総支配人の迷子注意報?

『はい。その通りです。
私が目を離した隙に総支配人が何処かに
行かれてしまって。
食堂かと思い行ってみたのですが
いらっしゃいませんでした。
あの……すみませんが、今どちらに?』

やっぱり……。

「今ちょっとホテルの外に出ていまして。
今からそちらに向かい捜してみます」
私は、慌てて電話を切った。

ハァッ……大変。
捜さなくちゃあ……!!

慌てて奈々恵に言い残すと私は、
大急ぎでホテル戻った。
そして総支配人が行きそうな場所と
迷いやすい場所を考える。
そう言えば食堂がどうとか行っていたわ。

もし藤本さんの予想通りに食堂に向かう
つもりだったら
総支配人ならあのルートを通るはず。
私は、急いで向かった。

食堂は、最上階レストランの裏側。
従業員専用の通路にある。
つまりお客様専用の通路から見たら
分かりにくい。

でも普通は、レストランの裏側だと覚えておけば
迷うことないのだが……なんせ総支配人は、
極度の方向音痴だ。

どう勘違いをして迷うか分かったものじゃない。
とにかく総支配人の視点で考えながら

私は、まず反対側の廊下を捜した。
しかし居なかった。

ここじゃない。なら
その下の階に居るに違いない。
私は、エレベーターを使わずに下におりていく。
すると丁度上がろうとしていた総支配人に
ばったり出会った。

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