クールな総支配人の迷子注意報?
「あ、総支配人!!」
「若葉……?どうして……ここに?」
「どうしてじゃないですよ!!
どうして勝手に何処かに行っちゃうんですか?」
私は、総支配人に怒った。
もう……藤本さんも私も心配して
必死になって捜したと言うのに
本人は、涼しい顔をしているじゃないか。
「いや、ちょっと食堂に寄ろうとしたら
道案内を頼まれてな。案内していたら
さらに道に迷って……今やっと分かったところだ」
方向音痴なんだから道案内しないで下さいよ!?
声に出して言いたかった。
だがグッと我慢をする。一応上司だし。
「藤本さんとても心配してましたよ。
私も昼食を中断して捜したんですから……」
見つかったから良かったけど……。
「そうか……迷惑をかけてすまない」
申し訳なさそうに謝ってくる総支配人。
「もう……気をつけて下さいね。
とにかく藤本さんに無事に見つかったことを
報告をしないと……」
慌ててピッチを取り出して連絡を取ろうとした。
するとガシッと私の腕を掴む総支配人。
えっ?
急に掴むから驚いてしまう。