クールな総支配人の迷子注意報?
「丁度いい。昼飯に付き合え」
「えっ……?
ですが仕事がありますし。
ランチは、済ませてきました」
何を言い出すのかしら!?
「今、途中だと言ったじゃないか?」
ギュッと握ると引き寄せてくる総支配人。
自然と抱き締められた状態になる。
えぇっ!?
階段で抱き締められるなんて思わなかったから
戸惑ってしまう。
心臓がドキドキと高鳴ってうるさい。
「あ、あの……確かに途中半端しか食べてません。
でも、お昼休みが過ぎてしまいましたので
その……戻らないといけませんので」
何とか逃れようとする。
すると、するりと離してくれた。
「そうか……それは、仕方がない」
あ、分かってくれた。
「だが、そうなると俺1人で食堂に
行かないとならない」
うっ……そう言われると困る。
確かに方向音痴の総支配人を1人で行かせるのは、
危険だわ。
今でも迷子になっていたんだし……うーん。
「分かりました。
取り合えず一緒に行きましょう。
その後は、藤本さんに引き渡しますから」
私が半分折れることになった。