クールな総支配人の迷子注意報?

ドアを開けるとまだ、たくさんの社員達が居た。
総支配人は、手を繋いだまま堂々と中に
入って行くので
周りの女性社員は、こちらをチラチラ見て
騒いでいた。目線が痛い……。

あぁ、噂になっちゃう。
冷たい視線にビクビクしてしまう。
怖い……。

しかし気にすることもなく総支配人は、
売り場まで行くと私に
「若葉。お前も少しは、食っておけ。
飲み物は、いるか?」
何かを頼めと言ってきた。

「あ、いえ。
すぐに仕事に戻らないといけないので」

するとジッと私を睨み付けるように
見つめてくる。
えっ……?

「飲み物だけでも……いいだろ!」

「あ、じゃあ……お言葉に甘えて」

何としてでも離す気がないのか、それとも
ただマイペースなのか総支配人は、私に
飲み物を強引に勧めてきた。
仕方がないのでコーヒーを頼むことに。

コーヒーは、おごってくれた。
それを持って空いている席に座る。
丁度2人分の席が空いたので良かった。

総支配人は、サンドイッチとポテトサラダと
コーヒーだけ。これで足りるのかしら?

「総支配人。それだけで足りるんですか?」
思わず尋ねてみた。

< 47 / 78 >

この作品をシェア

pagetop