クールな総支配人の迷子注意報?

「あの……私は、失礼します」
気まずくなり立ち去ろうとする。

しかし
「おい、若葉。お前も来い」
総支配人が私を指命してくる。

うっ……やっぱりバラす気だわ!?

どうしょう。
私のことが九条様にバレてしまう。
困ると思うのに。心が揺らぐ。

「若葉……?」
ジロッと私を睨み付ける九条様。

ビクッ!!
その冷たい目線に肩が震える。
総支配人室に連れて行かれると九条様が

「ねぇ、どう言うことなの!?
海人の婚約になるのは、私のはずでしょ!?」
怒りながら言ってきた。

「それは、言いましたよね?
俺には、恋人が居ると。
その方と結婚する気なのであなたと
婚約する気は、ありません」
きっぱりと言い切ってくれた。

総支配人……。

彼の真っ直ぐな言葉に一瞬涙が出そうになった。
ドキドキと心臓が高鳴る。

「その女って誰なの!?まさか……」
ジロッと私の方を睨み付けてくる。

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