クールな総支配人の迷子注意報?

ビクッ!!

すると総支配人は、私のところに近付き
「彼女が俺の恋人だ。
だからもう、婚約の話はなかったことにしてくれ」
肩を抱きながら言ってくる。

ドキッと胸が高鳴る。

しかし納得がいかない九条様。
「はぁっ?私が、
そんな平凡な女に負けてると言うの!?
冗談じゃないわ。私よりどこがいいって言うのよ?」
説明するように言ってきた。

そ、それは……私も気になる。
どうして総支配人は、私がいいの?

チラッと見ると総支配人は、
「そんなの決まっている彼女だからいいんだ!」
きっぱりと言い切ってくれる。

「はぁっ?そんな理由が通ると思ってるの?
いい加減なことを言わないで」

「いい加減じゃない!!」

総支配人……?
怒った口調で言ってくる彼に驚いた。

「俺は、ずっと彼女を見てきた。
彼女が他の男が好きだと分かっても
諦め切れなかった。
何とかして繋ぎ止めようとした。
そんな俺の気持ちをいい加減だと言うな」
真剣な表情で怒る。

彼の真剣さが伝わってくる。
どうしょう……胸がドキドキして
嬉しかった。

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