僕らの初恋青春譜
「とにかく、私は警告したよ?3年前のあの日……。もうあんなことにならないようにってるーちゃんと約束したから。これ以上和恋は人の事で苦しまなくていいんだよ?」
「やっぱり何か知ってるんだね?私は、知りたい。だから夏祭りは何としても行くから」
「あっそ。私はこのことるーちゃんに言うからね。覚悟しておきな。和恋の記憶は止めてみせるから」
そのまま無言でお互い睨み合った。
私は自分の部屋に行き1週間後の夏祭りについて考えた。多分、玄関からは行けないなと思ったので窓を開けて下を見下ろした。
「3メートル。いや、5メートルあるかも」
手で長さを測っている動作をした。
そっちがその気ならこっちは飛んでやる。
私の記憶は3年前で止まっている。だけど、止まらせたままでいいとは思っていない。
今の私は3年前の記憶を持たない私の仮の姿みたいなものだ。だから、黒澤君に告白の返事も、遥のこと未だに遥って呼び捨てにしていることへのモヤモヤも、何にも解決出来ない。