僕らの初恋青春譜
ついに約束の時間まであと15分となった。
"カチ、カチ"
部屋に響く時計の音がやけにうるさく感じる。
ここから公園までは約10分で行けるのであと少しの間、鍵の付いていないドアの前に荷物を置きまくる。
るーちゃんとお姉ちゃんに部屋に私がいないことを分からせないためだ。
万が一、夏祭りに行ったことがバレたらそれこそ黒澤君との関係性が危なくなるに違いない。下手したらまた会えなくなるかも。
お姉ちゃんが言っていた「これ以上人の事で苦しまなくていいんだよ?」の意味が未だに分からない。
そーいえば少し前にお箸を割った時の報告会ではお姉ちゃんに「本当に2人のことを思い出したいか」と聞かれた。あの時からお姉ちゃんはきっと分かっていたんだな。
遥と黒澤君のこと。