僕らの初恋青春譜
「何でこんなに私を心配してくれるの?」
それは今まで黒澤君に。そして遥や美優の皆に言いたくても言えなかった言葉。
"友達だから"って言う使命感から自然と生まれてくるものなの?
「お前も俺と同じで馬鹿だな。」
「え?何が……」
そう言うと黒澤君は優しく抱きしめてくれた。
「俺も中村もお前のことが好きだからだよ。」
何だ。気づいていなかったのは私だ。
美優に言われてからやっと気づくなんて遅すぎだね。
私が気づいていないだけで私がこれから先も一緒に居たい人や私のために何かしてくれる人の存在について。
私のために怒ってくれたり笑ってくれたり心配してくれたりってそこに何やかの感情があるから。
いつの間にか涙が溢れてきて同時に凄い嬉しかったんだ。