僕らの初恋青春譜
裏通りは街灯が数メートル単位にしか配置されていなかったのでだいぶ暗かった。
それにしても……。
「こんな道なんてあったんだね?3年前もこの街にいたけど、この道知らなかったなぁ」
「え?そうなの?和恋って俺らのことも忘れていることとこの道を知らないってこともしかして、関係あんのかな?」
「んー。何もこの道は思い出せないけどなぁ。関係あるとしたら考えられることは何だろう」
その言葉にハッとした黒澤君は何らや考え始めた。そして、さっきみたくこちらを見てきた。
「俺さ、3年前に夏祭りに和恋と一緒に来て告ったんだよ。そしたらさ、和恋がごめんねって言って去っていったの。それで裏通り行ったかもしれない。俺はまぁ、ショックでその場に立ち止まっていたけどな」
私が振った?黒澤君を……。
てことは、昔の私には今みたいな黒澤君に対しての好きと言う思いは無かったってこと?
「まぁ、それと関係あるのかはこの道を突破すれば分かることだけどな」
「そうだね。私も知りたい」
黒澤君の手をギュッと強く握り返してあと少しで表通りの道と合流する所の道が見えた。