僕らの初恋青春譜





「着いたぞ。今日は色々あったけど会えて良かったよ」








黒澤君は私に会えて良かったと言うけど私にとって、今日は災厄日だ。いいことさえも全然なかった。









黒澤君の背中から離れる。さっきまでは、やっぱり人には家の匂いとか染み付くもんだなぁと思いながら黒澤君の背中に抱きついていた。









「ここまで送ってくれてありがとう。こんなことになっちゃって本当にごめんね」









「いいって!気をつけろよな」










やっぱりダメだな。そんな優しい言葉。










後ろ姿の黒澤君に追いついていつの間にか抱きしめていた。気持ちなんか隠せないよ……。全国の恋してる皆はどうやって気持ちを抑えてたりしてるんだろう?









「え?え!?和恋?どうした?」










その言葉にハッとして私は黒澤君から離れた。
やばい。理由なんて言えない。離れるのが寂しいだなんて……。





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