僕らの初恋青春譜

「な……何なのよ。本当、黒澤君の考えが読めないんだけど。でも、嫌じゃなかった？え…、嫌じゃあ、なかったの？私ってば……」










何度もさっきのシーンを繰り返し頭の中に描いては消えてのループをしていた。









ただでさえ暑い夏の中で耳まで暑く感じる今日この頃。










一方その頃、黒澤君はと言うと……。







あまりの自分の言動ぶりに黒澤君自身、驚いており和恋のことが気になりつつ後ろを振り向きざまに歩いていたため、あちこちにぶつかっていたのだ。










「あー。夏休み後、どーすっかな」










そんなことを考えながら頭をわしゃわしゃかき乱した。











「あいつがちょっとでも俺のこと好きになればいいって思ったのに、逆にダメージくらったのは俺だった。」










夏休み前も、夏休みに入ってからも続いていたこんな平穏な毎日も、これから明かされる真実に戸惑いを隠せなくなるなんてまだ誰ひとり、知らなかったんだ―――。