僕らの初恋青春譜
私は、すうっと息を吸い込み、心構えをした。そして、玄関の扉を開けた。
「ただいま〜」
お姉ちゃんが今、私の目の前に立っていた。まさに、ぎょ!という言葉を出したい衝動に駆られた。
「何でベランダから行ったのよ!!」とでも怒られると思っていたのにお姉ちゃんの反応は、まさかの違って。
「和恋!大丈夫なの?!(小さな声で)ベランダから行って。あ!やっぱり、ケガしてるじゃない…」
過去に黒澤君は夏祭りに何か私の家族に嫌われるようなことをした。そんなこと絶対にない。あの黒澤君だもん。今はそう信じたい。
「へへっ。大丈夫。今度は気をつけるよ」
そんな風に私が強気な口調で言うと、お姉ちゃんは"ハハッ"と軽く笑って「次はケガするへましないといいね」と言って無事、仲直りしたのである。