僕らの初恋青春譜
今はお姉ちゃんに消毒などして貰っている最中である。にしても…、だめだ。頭が痛い。ズキズキ、ズキズキ。さっきのいきなり入ってきた知らない女の子の記憶。
あれ…。何かだんだんとお姉ちゃんの姿が遠のいていく?
「ねぇ、和恋?…和恋?!お母さん!」
「お姉ちゃん……。頭が凄く痛いの。」あと、お母さんじゃなくて家ではるーちゃんって呼ぶんでしょ。お姉ちゃん!
「分かった。今から病院行ったほうがいいわ。和恋、あんたにはまだ記憶を取り戻すのが早かったんだよ。」
そんなこと……無いのに。もしかして、私が遥と黒澤君のことを思い出すのをお姉ちゃんは拒んでる?でも、どーして…。
だんだん遠のいていく視界の中でその事だけをただただ思っていた。