僕らの初恋青春譜
教室の廊下に行くと黒髪銀ピアスさんが仁王立ちしていた。私は遊園地以来、黒髪銀ピアスさんのことが怖いので心の中で「さん」付けをしていたのであった。
「えっーと、森山…われん、さん?てか、名前なんて読むんですか?」
黒髪銀ピアスさんは、手に握られているメモ用紙をジーと見ながら何やら苦戦していた。その様子が面白くて私は笑いそうになった。
「え?!あっ、えと、和と恋でわこと言います。やっぱり難しい読み方ですよね?よく間違われます。」
「あっ、なるほど!すいません。今度から間違えないので」
そんなことを言われて私は驚きつつも礼儀正しい人だと思った。