僕らの初恋青春譜
「部活のことですが、美術は週2日で水曜日と金曜日に部活を行っています。部活の人数は全員で8人です。3年の先輩は夏休み前で引退してから2年の先輩が5人で、1年が3人って訳です。時間は4時から大体6時までです。」
なるほど。私が言葉に出さずにコクコクと頭を縦に振っていると紙を差し出してきた。先程まで握っていた紙である。
「さっき、俺が言った内容をここに書いておきました。忘れないようにってことと、家の人にも部活の時間を知らせた方がいいかと思って。以上です。では。」
「あっ、わざわざどうも」
やっぱり、遊園地の時みたいに暴言を吐きまくっていた悪い人には到底見えない。学校というものが彼自身を縛っているように私にはそう感じた。
今日は火曜日、新学期が始まって一週間が過ぎようとしていた。
明日の部活が楽しみだなと、黒髪銀ピアスさんに対しての恐怖感はいつの間にか消えていた。