僕らの初恋青春譜







教室の扉を開けると、遥と美優はこちらに向かって「ダッダッダッ」と音を立てて近づいてきた。
















「どーだった?部活についてなんだって?何か嫌なこと言われなかった?」

















遥はまだ私が何も言ってないのに心配そうに喋ってきたので、ちょっとの間話しただけなのに心配してくれるなんて嬉しくておかしくてクスッと私は笑ってしまった。

















「うんっ。明日の部活についてのことだよ。あとは、部活の人数とかかな?多分、私の聞きそうなことを事前に紙に書いてくれたんだよ…」















私がそう言ったあとで気づいた。そうか、彼は私が聞こうと思っていたことを把握していたんだ。いい人じゃん。やっぱり。じゃあ、遊園地で遊んだ時には何で遥だけに素を出したのであろう…?
















「まぁまぁ、遥。和恋も明日から部活なんだし心配するのはその時だよ。ねぇ、和恋?」


















「うん。そだね」

















美優はそう言ってくれたけど、やっぱり私は今のところ心配事は無いと思う。黒髪銀ピアスさんはいい人ってことは今は私だけの秘密にしておこう。


















明日はきちんと名前を覚えるんだ。彼が私の入部に伴って準備してくれたように私も礼儀を知ろう。人の考えに流されない。そんな自分になりたいとその時、私は初めて思った。







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