僕らの初恋青春譜
次の日。久しぶりに黒澤君と話した。夏祭りのキス事件以来なんだか私が避けていた。
「へぇ。和恋って夏休み明けから美術部に入ったんだな。昔から、絵描くの好きだったもんな!」 とニコニコしながら机に頬をつきながら聞いてきた。
「うんっ。そうなんだよ。昨日、初めての部活があったんだけども凄く楽しかった。新しい友達も出来たし…」何だ。キスのことを気にしてるのは私だけか。恥ずかしい。
「そういや、昌志の従兄弟だったけ?も美術部らしいな。」
「そーだよ。日向くんね。いい人だったよ」と私が笑顔で言うと遥は驚いた顔で私の肩を掴んできた。
「えっ?は?いい人ですって…?!人は見かけによらないってこと?学校ではピアス付けてなくても休日の日は付けているって凄いギャップ持ってるのに?しかも、妹さんだけには優し…何でもない。」と途中まで言いかけてやめた。
「うん。いい人だと思うよ。遥も…」仲良くなったの?と言おうと思ったけど私も言うのをやめた。きっと今、遥と日向くんは¨腐れ縁¨的な関係だろうと思ったから。
「何よ…和恋」しまったと言わんばかりの顔をしてきたので私は思わず顔が緩む。
「何でも無いよ!」
あの時の2人の雰囲気からして腐れ縁と言える程に仲良くなれるとは思っていなかった。けど、何か進展があったのなら良かったと思えた。