僕らの初恋青春譜
それからというもの入学式を終えて…
授業のオリエンテーションを終えて…と
時間の流れは早いもので。
入学してからもう2ヶ月たったという6月のある日。転校生が来た。
その人が現れたことによって自分の運命が大きく変わることも知らずに…
「こんな時期に転校生とか変な感じよね」
そう言う彼女は先ほども名前が出てきた宮下美優。目がぱっちり2重で髪はボブの彼女は他校に中学の時から付き合っている彼氏がいるという
くそぅ。羨ましい!!
「うん、確かに…そうだよね!」
しかしながら遥は2人に気づかれないようにと小さな声で「やっと来たか。」としびれを切らしていたのも知らず。
「はーい、皆静かにしろ。紹介しよう。新しく我が上松南高校(うえまつみなみ)に転校してくることになった黒澤海斗君だ」
私たち1年A組である担任の赤井先生が言うと皆、転校生に釘付けになった。
「今日からお世話になる黒澤海斗です。……よろしくお願いします」
顔をほんのり赤くしながら黒澤君とやらはぺこっとお辞儀をした。
「あー。席は…」
そう言えば私の横ってずーっとこの6月まで空いているなぁと思っていたら赤井先生がこちらに向かって指をさし
「そこの森山の隣の空いている席だ!」
と言ってきたので「やはりか」と今日までの空席の理由を確信することになった。
こちらに向かって歩いてくる黒澤君を観察していると、おお。結構なイケメンさんだ?!目はくっきり2重だし、顔は小さいし、腕にかかるワイシャツをまくりあげておりそこから引き締まった腕が見えた。
「……ん?」
そう言って席に着くと彼は驚いたように私を見てきた。
「おいっ、中村!これはどういう事だよ」
え??!黒澤君と遥ちゃん、2人はお知り合い?