愛しているのは・・貴方だけ
「乙香っ?乙香っ?
どこだ?どこにいる?」
と、直綺さんの声。
だが、あまりの恐怖に声が
でなくて
ガラガラ!ピカッ!
「きゃーっ、イヤーっ」
バターっ
と、音がすると
毛布の上から
ふわっと、抱き締められた。
そして毛布を捲られて、
直綺さんが覗いていた。
そのとき、また
ガラガラ!ピカッ!
キャッー!っと、
直綺さんに抱きついて
しまった。
直綺さんは、びっくりしたが
私を抱き締めて
「大丈夫。大丈夫だ。
俺がいるから。」
と、言ってくれたから
頭をコクコクとした。
その後も何度か
雷がなり
その度に
直綺さんが、ギュッと抱き締めてくれた。
乙香はずっと泣きながら
震えていたが
いつのまにか
寝息が聞こえてきた。
覗いてみると
乙香は、眠っていた。
乙香の涙を拭いて
そのまま、横抱きにして
膝にのせた。
調度そのとき
携帯がなった。
親父からで、
乙香を心配していたから
泣きつかれて、今寝ていると
話すと
彩さんとかわって
乙香の父・和人さんが
事故にあったのが
大雨で、雷がなる日で
和人さんは、乙香を守って亡くなった
と、話してくれた。
乙香は、すべてを覚えいるわけでは
ないが、記憶の一部が残って
いるのではないかと
言っていた。
いつもは、彩さんがいるから
大丈夫らしいが
久々の一人だったから
彩さんも心配だったらしい。
「本当にありがとう。
良かった、直綺君がいてくれて。」
と、話して電話を切った。