愛しているのは・・貴方だけ
パパは、
「すまない、乙香。」
と、言ったが
「どうして、パパは何も悪くない。
もちろん、直綺さんも悪くない。
私が、勝手に恋愛をしただけです。」
と、言うと
ママが
「乙香。ママは何となく
知っていたの。
だけど、貴女の始めての恋愛を、
静かに見届けたかったの」
「ママ、ありがとう。
直綺さんが、本当に
好きだった。
だけど・・・だけど・・
諦めるしか・・ないの・・」
と、涙が溢れる
ママは、私を抱き締めてくれた。
夢乃は、辛い思いをしながら
麻美と直綺の子供の為に
身をびくと言う
乙香が不憫だった。
だが、麻美と腹の子は
守らないといかん。
兄さんは、苦渋の顔をしていた。
だから、私は、
「義姉さん、兄さん、
乙香をしばらく
別の場所に移しましょう。」
と、言った。
乙香もそうしたかった。
「パパ、ママ
私もそうしたい。」
と、言った。
パパは、渋々だが
認めてくれたから
乙香は、しばらく律華の所に
厄介になることにした。
律華は、二つ返事で
了承してくれた。
三年は、殆ど実習だから
泊まりがけで行く事が多いので
律華の所には、殆どいないが。
直ぐに荷物を鞄に積めて
夢乃さんが
送ってくれた。
夢乃さんは、連絡先を教えてくれて、
「なんでも連絡しなさい。」
と、言ってくれた。