愛しているのは・・貴方だけ
「さあ、みんな座って。
久しぶりにみんなが揃って
私は嬉しいの。
そうよね、宏綺。」
と、ママが言うと
パパは、ばつが悪そうに
「‥‥ああっ‥‥」
パパとママが
私と直綺さんが一緒に座って
直綺さんは、ソファに座っても
私の手を繋いでいたから
パパの眉間は、ヒクヒクしていたが
ママは、嬉しそうにしていた。
そこで、直綺さんが
「親父、彩さん
俺と乙香の結婚を認めて下さい。」
と、頭を下げた。
パパは、口をパクパクしていたが
ママは、
「そう、良かったわ。
良かったわね、乙香。」
「うん、ママ、ありがとう。
パパは?パパも認めてくれるよね?」
「乙香は?!
乙香は、本当に
こいつで、良いのか?
辛い思いをしないか?」
と、心配しながら訊ねるパパに
「はい、大丈夫。
私も、ずっと直綺さんが
好きだっから
忘れようと努力もした。
だけど、やっぱり忘れる事も
出来なかった。
それに、パパの息子さんだもん。
間違いがあるわけない。」
と、私が言うと
パパは、
「直綺。二度と乙香を泣かすな。
泣かしたら、直ぐに引き取るからな。」
と、言うと
「約束する
必ず、必ず、乙香を幸せにする。
乙香だけを思って、頑張ってきた。」
と、言ってくれた。
乙香は、嬉しくて
直綺を見上げると
直綺も乙香をみて
二人で、微笑みあった。
パパは、
「ウっウン。」
と、咳ばらいをした。
「直綺君、どうすればいいの?
一度、乙香は、籍を抜いて
直綺君の嫁として
直綺君の籍を入れたら良いの?」
と、ママが言うと
「いいえ。
俺は、遠山じゃないんです。
母の姓にしました。
だから、安斉なんです。
乙香と、結婚したかったから
アメリカに行く前に
夢乃さんにも協力してもらって。
だから、乙香も安斉 乙香なんだ。
お母さんと、違うけど良いか?」
言われて・・
「‥‥うんっ、ありがとう
私の事を考えてくれて。」
直綺さんは、本当に
色々私の為に考えてくれて
嬉しかった。
「当たり前だ。
俺は、乙香としか
結婚するつもりは、なかったから。」
と、言いながら
涙を拭いて
ほっぺにチュッとしてくれた。
パパは、
「おっ、お前、直綺っ
親の前でいちゃ、いちゃするな!
だが、いつの間に籍を抜いた?」
と、訊ねると
「夢乃さんに、相談したら
そうするように言われたから
全てをきちんとしてから
渡米したんだ。」
と、言う直綺さんに
「乙香に、別に好きな人が
できていたら、どうするつもり
だったんだ?」
と、パパ。
「ああ、それは。」
と、直綺さんが言うと
「それなら、大丈夫よ。
私が、定期的に、直綺君と
連絡とって、乙香の情報は、
教えていたから。」
と、ママ。
「「えっ、いつ?」」
と、パパと私。