君に初恋………ー母の遺した宝物ー
バタンと、玄関が閉まった………ー


ただいま、とゆゆが言うと奥から、バタバタとスリッパを踏み鳴らした音が聞こえた。


「あらあら、優瞳ちゃん聞いてるわよ。ゆっくりしててね。
あら、可愛い子。お友達?」

長い髪をアップにしたゆゆのお母さん。


気品溢れるお母さんに、私は笑みが零れる。


「えっと、桜木流愛です。よろしくお願いします」


ぺこりと挨拶する流愛の肩にゆゆママが触れ、ガバッと抱きしめた。


可愛いー、と。


あ~まぁ、分かるけど、ね。

流愛って小さくて女の子女の子してて、可愛いしね。


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