君に初恋………ー母の遺した宝物ー
「大丈夫って、ぢゃあ遠慮なく」


「ぢゃあ、居間行かない?あたし、お腹すいたし」

そうして私達は、部屋を出た。


キッチンでお鍋コトコト、エプロン姿のおばさん。


なんだか効果音つきそうならぐらい楽しそうだ。

「お母さん、今日二人ご飯食べて帰るから」

「そのつもりで美味しいビーフシチュー作ってるとこよ。今晩は、ご馳走よ」

どうしたんだろう。
さっきの悲しい顔とはまったく、違う。


むしろ別人。


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