クールな彼の甘い融点~とろけるほど愛されて~
告白は、お互いから、というのが正しかったと思う。
バスケに熱を入れる八坂さんと、野球部マネージャーに夢中だった私。
好きなことに取り組む姿勢が似ていて、好感を持つのに時間はかからなかった。
最初は、ただ風紀委員という共通点しかなかった。
一年生の四月、じゃんけんに負け続けて決まったのが風紀委員で、そこで一緒になったのが八坂さんだった。
風紀委員の仕事といえば、服装の取り締まりが第一だ。
年に何度かは校門に立ち、登校してくる生徒をチェックし、必要なら注意する。
そして、文化祭などの催しが行われるときの、校内見回り。
部活動以外で残っている生徒がいないかを確認する、放課後の校舎見回り……と、まぁ、とにかく服装見ながら見回るのが仕事だった。
……率直に言えば。
八坂さんは、恐ろしく不真面目だった。
男子のYシャツは、第一ボタンまでしか開けてはいけない、って規則を堂々と破っていたし、なんていうか……もう、態度自体が先生の逆鱗に触れるようなそんな印象を持った。
だって、委員会初日に現れた八坂さんは、遅れたうえ、黒いタンクトップにYシャツをひっかけただけっていう、ひどい着こなしで、あくびしながら教室に入ってきたから。
私が一年、八坂さんが二年の、春のことだ。