クールな彼の甘い融点~とろけるほど愛されて~


「んー、でもちょっと意地悪な言い方はしちゃったから、そこはごめん。でも、瀬名ちゃん、俺のこと全然男として見てくれないし、それ結構悔しいし、これくらいのことは許してよ」
「男としてって、そんなの仕事の場なんだから当たり前……」
「まぁ、これはお詫び」

お詫び?

なんのことだろうと思い眉を寄せ顔を上げると、微笑んだ倉沢さんが握ったままの私の手の甲に、唇を寄せる。

普段、されない行為なだけに、なにしてるんだと呆けてから慌てて手を振り払った。
それと同時に。

「めぐ」

聞きなれた低い声が、電車の音に紛れ公園内に響いた。
見れば、公園から少し入った場所、ベンチから数メートルのところに立った八坂さんが、私たちを見ていた。









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