僕ら2人。
不細工な2人。
わたし、絵梨の彼氏、悠太は自慢じゃないが、不細工だ。
色白で高身長なわりには、とても細い。
目は細く、口が薄い代わりに鼻だけは高い。
よく言う、塩顏と呼ばれる顔つきだと思う。
笑うとふにゃりと崩れるその顔がわたしには世界一不細工にみえる。
『悠太って、ほんと不細工だよね。』
今日もわたしは悠太をからかう。
「俺が不細工?どこ見て言ってんの?こーんなにかわいい顔してるのに?」
そう言いながらわたしに愛嬌を振りまく。
ああ、もう、写真とりたいこの不細工。
『そういうとこが、不細工だって言ってんの。写真とっていい?』
「い、や、だ。」
全身を揺らしながら嫌だと叫ぶ悠太。
こんなに不細工な行動をするの、悠太くらいじゃないかって思う。
動画撮りたい。
ピッーーー
「やだやだや、、あ、いま動画撮ってるでしょ!音聞こえてんだぞ〜〜」
ああ、ほんとに
「なんだよ〜不細工って文句言ってたくせに〜」
「、、いつまで撮るの。にやにやしすぎだし。もういいでしょ。」
表情が抑えきれず口元が緩む。
「そうやっていっつも写真とか動画すぐとるんだから!」
なんてかわいいんだろう。
どれだけ見つめていても飽きない。
かわいいかわいい不細工なわたしの彼氏。
「不細工っていうのに、なんでいつも動画とるの?ほんとはだいすきなの?」
『だいすきどころか、世界一かわいいもん。
ーーーー世界一可愛くて不細工な彼氏だよ。』
かわいいと直接言えないわたしの照れ隠し。
世界一不細工なわたしだけの彼氏。