~彼女の正体~
しばらくは、お互いに無言でグラスと飲み物を飲む音だけが聞こえていた。
「……。」
「………。」
……沈黙に耐え切れなくなった俺は、声を出した。
「杏ちゃ……『高田くっ…』……。」
二人同時に話出して、声が重なってしまった。
「フっ……『アハハ……。』」
俺たちは、顔を見合わせて笑った。
そして、その瞬間、俺の心臓の鼓動が激しくなった……。
…杏の笑顔は、すごく可愛いと思った。
いつも、その笑顔を見ていたいと思ったんだ。