~彼女の正体~
「ばっかみたい。タケル君はまっすぐ帰るの?」
痛烈な杏の一言にも、彰と純菜は動じない。
「あぁ。」
俺が答えると。
「じゃ、このバカップルは放っておいて先帰ろ?あたし、今日家庭教師来るし。」
家庭教師なんて雇ってんだな…。
来年受験だし、俺も進路考えなきゃいけね~よな。
でも、杏と帰るのは何気に嬉しい。
もちろんそんな素振りは見せないようにするけどな。
杏と二人で駅に向かって歩きだした。