~彼女の正体~
「あっ…。タケル見ろよ!あの女…。」
彰は、俺の後ろを見て合図した。
「あれ、この前の試合んときのデカい女だろ?」
そう言われて、俺は身体ごと振り返った。
瞬間……。
そいつと視線がぶつかった。
思ったより近い場所にいたので、慌てた俺は身体を戻した。
「なぁ?あいつ、藤美女子なんだな。お嬢だろ。」
彰が、俺に囁いた。
藤美女子というのは、有名な私立の女子高だ。
俗にいうお嬢様学校ってやつ。
金持ちや、有名人の娘やらが多いらしい。
…………あれ?