― BLUE ―
8.友達、親友、心友
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年が明けてからの学校は、なんだかバタバタして、あっという間に時間が過ぎてしまう。
それに一月の下旬から3年生は自由登校になっているのもあり、いままで生徒達で溢れかえっていた校舎もなんだかひっそり。どこかひどく寂しげだ。
この季節は屋上に出ることもないので、杉本とあたしにはとくになにもない。カウントダウンのあとの冬休みは杉本と会うこともなかったし、あのとき感じたあたしの気持ちは、なんだかぼんやりとしたものになっていた。
あ、でも。
そういえば席替えをして、斜め後ろが杉本になった。
杉本の隣は山倉さんという子で、あたしはあまり喋ったことがない子なんだけれど積極的に杉本へ絡んでいる声が聞こえるのが少し耳障りだったかも。
そんな山倉さんを適当にあしらう杉本を見ていると、教室であたしたちが話さないのは親しく喋ると女子たちが群がって面倒くさいとでも考えているのではないかとも思えた。
というのもバレンタインデーのときも遠巻きに杉本を見ている女子が多かったから。近寄るなオーラでも出しているのだろうか。それを潜り抜けてきた子には「甘いの苦手だから」という理由で受け取っていなかった。
おととし千草のチョコは受け取ったらしいので、考え方が変わったんだろうなと思った。だからあたしは結局渡さず。
あとで聞いた話だと、今年も千草のチョコは受け取ったそうだ。どんな渡し方をしたのかと千草に聞いけれど普通に渡したといっていた。……謎だ。