― BLUE ―

「いいよ。だけど千草らには内緒な。2枚しかないから」


え。


「なにそれ。あたしと河口とで行くの?」

「いやならいいけどさ」


え、ええぇ〜〜…


「どうする?」


思わず黙り込んでしまった。
だけどやっぱり答えは決まっている。


「あ〜〜…ごめん。千草らに内緒ならいいや」


だってもうこれ以上、重荷を増やしたくない。
行きたいのは山々だけど…。


「誘ってくれてありがと!じゃあね〜!!」


そのままあたふた急いだフリをしながら教室を出て千草たちの元へと急いだ。すぐすれば下駄箱であたしを待ちくたびれている姿が見える。


「え〜〜っ!河口最悪だし!!」


やっぱりわたしはズルい。
一番言わなきゃいけないことを千草には言わずに河口のチケットのことを話した。


「だって普通誘うなら、あ・た・し、でしょ〜〜にぃ!」


千草の声にあたしや美耶、そして佳代も笑う。


「てかさー、そんなん遠慮せずに行ってくればよかったのに〜〜!!勿体なーーい!!」

「えー…」

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