― BLUE ―
「ごめん。あたしばっかり話して」
「あーうん、それは大丈夫」
「ほんと?」
「で、あんたはいつ自分の気持ちに気づいたの? なんで急にあたしに話す気になった?」
ライブ中に千草へ電話をかけようと思ったこと。そのあとに河口から告白されて、自分でも驚くぐらい気持ちがハッキリしたことを伝えた。
「んーー…自分の気持ちに、やっと気付いたってこと、か」
「うん」
「アララ」
千草は少し気まずそうに笑う。
「なんかさ? タイミング悪くてごめんよ? ていうかー、シンだったかー。そっかー」
「内緒にしててごめん」
「じゃあさー、あたしらってライバルって感じ?」
「…千草」
「あーーっ!でもマコが羨ましい!!あたしには思い出も何もないんだけど!? あるのは卒アルだけだし!」
励ましてくれてるのがわかる。
本当に。
「ていうかさー、まだわかんないじゃん!マコもだけど、もちろんあたしだって」
「…うん」
もっと早く話せばよかった。
早く話したからといって、杉本とのことがどうなるでもないけれど。
「ほら元気出して!」
「なんか千草凄いね」
「なにが」
「あたし、千草と友だちになれてよかった」
「なんなし!テレるじゃん!つか泣くなしー!」
「だって嬉しくて」