― BLUE ―

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もう10日。
屋上へ行っていない。

もともと行きたい時に行くスタイル。
それに冬のあいだは何カ月も行ってない。

だけどいまはポカポカ陽気が続いている。
いったい梅雨はどこへ行ったんだ。

ずんずん気が重くなるのは、このお天気だけのせいじゃない。

ずっと杉本と顔を合わしていないのだ。
それなのに屋上へ現れないあたしに対し杉本からの連絡がひとつもない。もしかして学校を休んでいるのではないかという淡い期待——。


「シン髪の毛切ってたよ」

「そうなんだ」


それも儚く崩れ去る。
千草は杉本と委員会が一緒だから、きのう会ったそうだ。
髪の毛を切った以外は、いつもとなんら変わらない様子だったとか。

なんか落ちる。

どうやらあたしは杉本から何かいってくるんじゃないかと期待していたようだ。

だけど残念ながら、あたしが屋上に行かなくても普通に地球は回るし、杉本の世界も回るんだよ。


「はあ……」


今朝コンタクトを入れ忘れたまま登校したせいもあって、なにをしてもドジばっかだし。ずっと視界や頭もボーッとしてる。

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