― BLUE ―
どうしよう。
今日は学校サボるかな。
とはいえ、あたしがサボるといっても屋上以外に思いつくところがない。
仕方ないのでいつものマックへ入り、窓際のお気に入りの席へ座る。
「……」
だけどそこから駅前を見れば、カウントダウンの日を思い出してしまった。
あの日、家まで送ってくれた杉本。
あのとき、たしかに特別ななにかを感じたはずなのに。
だけど——、
きっと杉本、驚いただろうな。
だって杉本はいつもと変らなかった。
ひょっこり現れるのはいつもと同じなんだし。
つらいな。
だけどあたしが変ってしまっただけなんだから仕方がないかな。学校までサボっちゃってさ。なにやってんだろあたし。
「はあ……」
携帯を取り出しせば、そろそろ一時間目がはじまろうとしている時間。
そしてロック画面になっている、なんだか楽しげな杉本とあたしの写真が苦々しく目に映った。
なんだかな。
こんなはずじゃなかったのになあ。
「……」
手早く設定画面に切り替え、最初から入っているシンプルな画面に変えてみる。
しばらくするとテーブルに置いたままの携帯がブーブーと鈍く震えた。
《あれ?今日も来ないのー?》
千草からだ。
今日は行くって昨日連絡したんだった。
返信を打とうとモタモタしていると、しばらくすると佳代からも連絡が入る。
《なんかあった?》
佳代はやっぱり鋭い。
それぞれになんて返事をしようかと思いながら画面を開いたままぼんやり。すると時間が経ちすぎて、気がつくと画面が真っ暗になっていた。
そのたび開けるんだけれど、明るくなった画面はしばらくすればまた暗くなる。それを何度も繰り返した。
ふたたび携帯が受信を伝える。