― BLUE ―

《マック集合》


千草からだった。
返信しようと文字を打ち込んでいると、今度は電話が鳴りだす。同じく千草から。


「…もしもし」

『いまどこ?』

「千草…」

『いまどこって聞いてるんだけど!?』

「——マック」

『わかった。すぐ行くから』


千草はそれだけ言うと電話を切った。
なんかすごく怒っている感じ。

携帯画面の時計を見れば、もう二時間目がはじまっている時間だ。


「マコ!!!」


それから数分後、少し息を切らせた千草と佳代が本当にやってきた。

目の前に立った千草はテーブルをトンっと叩き鼻を鳴らす。


「おはよーォ…」

「あんたさ」


なんだかいつもの様子と違うから少し気まずくなってしまう。

目の前に座った千草は私をぐいっと見据えるようにして口を開いた。


「学校は?」

「…あ、うん。今日は…サボろうと思って」

「ふーん。なにしてんの?……こんなとこひとりで」

「あー…、うん」


すると千草はゆっくり息を吸い込んで、呆れたようにそれを一気に吐き出した。


「………………シンが、来てたよ」

「…え…?」


杉本の名前が出てきたけれど、何のことを言ってるのかわからない。


「あたしらの教室にシンが来てたって言ってんの!!!」


そんなあたしの様子に、千草は苛立ったように声を荒げた。

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